市販されている鰹節は通常、粉末状で使われることが多いですが、高級料理店の中には、出す直前に鰹節を手で削ることで、一段と豊かな風味を提供しています。
家庭でこの技を試みたいと考える人も多いですが、実際に自宅で鰹節を削ろうとすると、その予想以上の硬さに戸惑うことがあります。
本記事では、鰹節を削りやすくする柔らかくする方法と、削らないで使う方法を紹介します。
鰹節の硬さの理由と対処法
鰹節の硬さは、食品用カビによってもたらされます。
一般的にカビと言えばネガティブなイメージを持たれがちですが、鰹節ではこのカビが重要な役割を担っています。
カビを利用した発酵過程を経て、鰹節は硬くなります。
カビは湿気を好むので、水分を抜くことによってさらに硬い食品に仕上がり、これが鰹節の美味しさの一つの秘訣です。
鰹節の品質の見分け方
鰹節を購入する際は、品質がとても重要です。高品質の鰹節には、色や香り、硬さに特徴があります。
最も良い鰹節は均一な茶色をしており、表面には適度な光沢が見られます。新鮮な鰹節には海の香りがして、魚臭さは控えめです。
触感も重要で、適度に硬くしっかりしていますが、乾燥しすぎて脆くなったものは避けるべきです。鰹節を軽く曲げてみて、柔軟性が感じられるものを選ぶと良いでしょう。
鰹節を柔らかくして削りやすくする方法
乾燥が進むと鰹節は硬くなり、削るときに粉末状になりやすくなります。
以下では、鰹節を柔らかくして削りやすくするいくつかの方法を紹介します。
加熱法
削りたい鰹節を炎に直接触れさせないよう注意しつつ加熱します。
削る途中で鰹節が硬くなった場合は、この方法を繰り返すと効果的です。
湿度調整法
乾燥した布を使って削りたい面を軽く湿らせ、数分間放置すると削りやすくなります。
マイクロ波加熱法
削る部分に少量の水を付け、ラップをして電子レンジで20秒程度加熱します。
柔らかくなりにくい場合は、さらに10~20秒間加熱を追加してください。
ただし、加熱後はすぐに削ることをお勧めします。長時間放置すると再び硬くなることがあります。
初心者向け鰹節削りのステップバイステップガイド
ステップ1: 道具の準備
初めて鰹節を削る際には、専用の鰹節削り器を用意します。これを使用すると、均一な厚さの鰹節が簡単に削れます。
削り器の刃の調整が適切かを確認し、安全に使用できるようにしてください。
ステップ2: 鰹節の向きを確認
鰹節の「頭」と「尾」を見分け、削る方向を決定します。
一般的には頭から尾へ向かって削ることが多いです。
ステップ3: 削り始め
削り器を安定した平面に置き、鰹節を削り器の刃に軽く押し当てながら、一定の力で引きます。
最初は薄く、徐々に力加減を調整しながら削っていきます。
力を入れすぎると鰹節が崩れやすいので注意が必要です。
ステップ4: 削り終えた後の処理
削り終えた鰹節は湿気を避けるために密封容器やラップで包み、冷蔵庫で保管します。
これにより、鰹節を新鮮な状態で長持ちさせることができます。
このガイドに従えば、初心者でも鰹節の削り方をマスターでき、新鮮な鰹節から削りたての風味を楽しむことで、料理がさらに豊かな味わいになるでしょう。
削らずに鰹節を使う方法
一般的には削って使うことが多い鰹節ですが、削らずに利用する手法もあります。
削り器がない場合には、包丁で鰹節を厚削りや荒削りにして使う方法があります。
そのためには、まず鰹節を圧力鍋で蒸して柔らかくし、その後スライスします(表皮を取り除くとさらに良いです)。
こうして得た厚削り片はそのまま煮出し、濃厚なだしを取ることができます。
包丁を使った荒削りの技術
必要な材料
- 鰹節の塊:1つ
- 水:500ml
使用する道具一覧
包丁 圧力鍋または普通の鍋 こし布または細かいざる
手順の詳細
- 鰹節の準備:鰹節を圧力鍋で蒸し、柔らかくします。圧力鍋がなければ、普通の鍋で水を沸かし、その蒸気で約5分間蒸します。
- 粗削りにする:柔らかくなった鰹節を約1cm厚にスライスします。表皮が硬い場合は除去します。
- だしを取る:鍋に水500mlを入れ、切った鰹節を加えます。沸騰直前で火を止め、5分間そのままにしてだしを抽出します。だしを取ったら、こし布や細かいざるで濾します。
成功のポイント
鰹節を加熱しすぎると旨味が飛びやすいため、沸騰直前で火を止めることが重要です。
また、だしを煮出しすぎると苦味が出るので、適切なタイミングで火から下ろすことが推奨されます。
さまざまな活用方法
このだしは味噌汁やうどん、そばのつゆに最適です。
煮物やおでんの味付けにも使え、素材の風味を引き立てます。
日々の料理に本格的なだしを取り入れることで、その違いを楽しむことができます。
まとめ:柔らかくして簡単に削る鰹節のコツ
家庭で新鮮な鰹節の風味を引き出すために削る方法は素晴らしいですが、時間が経つと鰹節は硬くなりがちです。
鰹節が硬くなってしまった場合は、上記の柔らかくする技術を試すと良いでしょう。
これにより、鰹節を簡単に削ることが可能になります。