興味深い語源を持つ言葉

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日本文化

私たちが日常で使う言葉には、それぞれユニークな語源や背景が存在します。今回は特に興味深い語源の言葉をいくつかご紹介します。

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ありがとう

意味:感謝を示す言葉。

語源:「ありがとう」は、「有り難し」という古い仏教用語から来ています。「有ることが難しい=珍しい」という意味から、仏への感謝を表す言葉として用いられていました。
これが一般にも広まり、珍しいことや貴重な出来事に対する感謝の意を表すようになりました。

青二才(あおにさい)

意味:経験が浅く若い男性を指す言葉。軽蔑や謙遜の意を含むことがあります。

語源や由来:「青二才」は、「青」と「二才」から成り立っています。
「青」は未熟さを、「二才」は若さを表します。「二才」には出世魚や新たな役職を意味する「新背(にいせ)」が語源とされ、これが「にさい」へと変化しました。

油を売る

意味:仕事をサボって無駄話をする行為。

語源や由来:江戸時代の油売りが油を売りながら客と世間話をする様子から来ています。
これが転じて、仕事をしていないことを指す表現となりました。

大根役者(だいこんやくしゃ)

意味:演技が不自然であまり上手ではない役者。

語源や由来:大根を使った様々な比喩から名づけられました。大根はどんな調理方法でも中々食中毒を起こさないため、演技が「当たらない」ことを「大根役者」と揶揄して呼ぶようになりました。
また、役者の演技が木っ端のように堅苦しいことからもこの名がつけられたとされています。

いかさま

意味:実際は偽物であるにもかかわらず、本物のように見せかけること。

語源や由来:「如何様」という言葉が起源で、「いかようにも見える」という意味から派生しました。
また、イカ墨で書かれた文字が消える特性から、イカ墨を使用して不正を行う者を指して「いかさま」と呼ぶようになったという説もあります。

一か八か

意味:確実な策がなく、運任せで行動すること。

語源や由来:江戸時代の賭け事から来ています。サイコロの一面に「一」、もう一面に「八」と見えることから、全くの運任せの状況を「一か八か」と表現します。
また、「一か罰か」という言葉が変化したという説もあります。

打合せ

意味:何かを行う前に話し合うこと。

語源や由来:雅楽の「打物」という楽器から来ています。
これらの楽器を使って演奏前にリズムを合わせる行為を「打合せ」と言い、これが一般的な計画や話し合いの意味で使われるようになりました。

誤魔化す(ごまかす)

意味:事実を隠したり、相手を欺いたりする行為。

語源や由来:「胡麻胴乱」という胡麻と小麦粉を混ぜたお菓子が起源です。このお菓子は見た目はふくらんでいますが中身は空洞で、この特性から欺くことを「ごまかす」と言うようになりました。

おめでとう

意味:何か良いことがあった際に使う祝辞。

語源:「おめでとう」は「めでたい」という言葉が変化したものです。「愛づ」と「甚し」の合成語「めでいたし」が語源で、これが時間を経て「めでとう」となりました。
「愛づ」は賞賛するという意味、「甚し」は非常にという意味があり、これらが合わさり「非常に賞賛すべき」という意味の「めでたい」が生まれ、さらに敬語が加わって「おめでとう」となりました。

おやつ

意味:昼間に取る軽食。

語源や由来:江戸時代の「未の刻」、すなわち午後の時間帯に食べられる間食から来ています。
一日二食の間に取られることから「昼八つ」が転じて「おやつ」と呼ばれるようになりました。

おもしろい

意味:面白く、楽しく感じることを表す言葉。

語源や由来:「面白い」は漢字で「面」が顔を、「白い」が明るい状態を意味します。
元々は顔の表情が明るくなる様子を指し、楽しいや愉快な感情を指すようになりました。

オタク

意味:特定の分野や趣味に熱心に没頭する人を指します。

語源や由来:「お宅」という言葉は、もともと他人の家を指す敬語で、「あなたの家は?」という意味で使われていました。1950年代には人称代名詞として使われるようになり、「あなた」と同様に使われました。
1980年代に入ると、特にアニメファンの間でこの言葉が一般化し、「オタク」として独特の趣味を持つ人々を指すようになりました。特に、1982年に放送されたアニメ「超時空要塞マクロス」でのキャラクターの会話が広めるきっかけとなり、異なる趣味に特化した「アニメオタク」や「アイドルオタク」などとして使われるようになりました。

案山子(かかし)

意味:農作物を守るために設置される人形。

語源や由来:「嗅がし」という行為から名称が派生しました。昔、不快な匂いを放つものを焼いて害獣を追い払うことを「嗅がし」と言い、これが「かかし」と呼ばれるようになりました。
漢字の「案山子」は畑や田んぼを指す「案山」と小さな物を指す「子」から成り立っています。

黒幕(くろまく)

意味:政治や裏社会で表に出ずに力を行使する人物。

語源や由来:「黒幕」という表現は歌舞伎が起源です。歌舞伎では、舞台背景を変えるために使用される黒い幕が、見えないところで物事を操作する意味で用いられるようになりました。
この黒い幕が影から物事を操る力の象徴として使われるようになりました。

ごり押し

意味:自分の意見や要求を強引に推し進める行為。

語源や由来:川魚「ゴリ」が堅い石にしっかりとくっつく性質から来ています。
ゴリが石に強く押し付けられる様子から、この表現が使われるようになりました。

さくら

意味:偽の客として雇われ、商品がよく売れているように見せたり、イベントを活気づけるために活動する人。

語源や由来:江戸時代の芝居小屋で、観客として芝居を無料で観る代わりに盛り上げ役を務めた人々がいました。桜が無料で楽しめる花見と短い花の期間を象徴として「さくら」と呼ばれるようになりました。
この語源から、一時的な盛り上げ役を指すようになり、「偽客」として表記されることもあります。

サバを読む

意味:都合の良いように数字を誤魔化すこと。

語源や由来:サバの数を早く数える必要があった魚の売り手が、数を誤って伝えることが多かったことから、「サバを読む」という表現が生まれました。
これは、数を誇張または控えめに申告することを指します。

さようなら

意味:別れの際に用いる挨拶。

語源や由来:「さようなら」は接続詞「さようならば」から派生しています。
元々は「それならば」「それでは」という意味があり、「さようならば、また後日」や「さようならば、お元気で」という挨拶が省略された形です。

四六時中(しろくじちゅう)

意味:常に、絶え間なく。

語源や由来:日本の時間の区切り方に由来しています。日の出から日没までを6時、日没から日の出までをもう6時で分け、12時としていました。
明治時代に西洋の時間制度が導入された際、「四六時」即ち24時間と解釈され、「四六時中」と表現されるようになりました。

図星(ずぼし)

意味:直接的に目標や要点を射抜くこと、またはその的中する状況。

語源や由来:弓道で的の中心部分を「星的」と称し、その最中心を「図星」と呼んでいました。
矢がこの図星を直撃することから、何かを的確に指摘する際に使われるようになりました。

ちやほや

意味:他人を甘やかしたり、媚びたりして気を引くこと。

語源や由来:元々「花や蝶や」という表現から来ています。この言葉は平安時代に使用され、「花や蝶」の美しさを愛でる意味で使われていました。
江戸時代になると「蝶や花や」と言われるように変わり、さらに短縮されて「ちやほや」となりました。現在でも「蝶よ花よと育てる」という表現で、親が子を大切に育てる様子を示します。

ビビる

意味:緊張や恐れで萎縮すること。

語源や由来:「ビビる」という表現には複数の説があります。一つは、戦時中に鎧がぶつかり合う音から来ており、「びびる音」という表現が生まれ、そこから派生したとされます。また、芸人が舞台に上がる前の緊張を表す江戸時代の用語とも言われています。
他には「びくびくする」の変化形や、物の振動を表す音から来たとも言われていますが、詳細は不確かです。

マジ

意味:本気である、真剣であること。

語源や由来:「マジ」は「真面目」の略で、元々は江戸時代の芸人たちが使用する業界用語でした。
この言葉は真剣な態度や誠実な行動を表す際に使われるようになりました。

八百長(やおちょう)

意味:事前に勝敗を決めておき、それを隠して競技を行うこと。

語源や由来:明治時代に八百屋の店主「長兵衛」が囲碁の勝負を調整して年寄りの気持ちを守るために故意に勝負を調整したことが起源とされています。
これが一般化し、「八百長」という言葉で不正行為を示すようになりました。

ルビ

意味:文字の上や横に小さく表示される読み仮名。

語源や由来:「ルビ」という用語は、宝石の「ルビー」から来ています。19世紀イギリスで、活版印刷の文字サイズを宝石の名前で区別していた時、特定の小さなサイズが「ルビー」と呼ばれていました。
日本で活版印刷が普及した際に、これが振り仮名に適用され、「ルビ」として定着しました。

ろくでなし

意味:何の役にも立たない人や無責任な人。

語源や由来:「陸でなし」という表現から来ており、「陸」は平坦な地の意味から転じて、何の特徴もないことを意味しました。
「でなし」は否定形で、「ろくでなし」として無能な人を指すようになりました。

いただきます

意味:食事を始める際に使われる挨拶で、食べ物やそれに関わったすべての人への感謝を表します。

語源や由来:「いただきます」は、「いただく」という動詞から来ており、もともとは物を頭上に載せる行為を意味していました。
神様への供物を食べる際にこの動作をすることから、食事を頂くときの謙虚な表現として用いられるようになりました。この表現が食事前の挨拶として定着したのは昭和時代からです。

ごちそうさま

意味:食事終了時の挨拶。

語源や由来:「ごちそうさま」は「馳走」という言葉に由来します。昔、「馳走」とは食事の準備のために食材を集めるために走り回ることを意味しました。
敬意を表す「御」が付け加えられ「御馳走」となり、豪華な料理を意味するようになりました。食事提供者への感謝を示すために「様」が加わり、「御馳走様」として食事後に使われるようになりました。

好き

意味:何かに惹かれたり、好意を持つ感情。

語源や由来:漢字の「好」は、「女」と「子」で構成されており、母子の愛情を象徴しています。
これが「美しい」「喜ばしい」という感情に関連付けられ、好意を抱くことを意味するようになりました。

嫌い

意味:不快感や拒否感を表す言葉。

語源や由来:漢字の「嫌」は、「女」と「兼」で構成されています。「兼」は二つのものを一緒に持つ様子を表し、心が分散して安定しない状態を示します。
これが不快や拒絶の感情につながり、「嫌い」という意味を持つようになりました。

おはよう

意味:朝の挨拶。

語源:「おはよう」は、歌舞伎の影響を受けています。歌舞伎役者が早朝に劇場での準備を始める習慣から、「お早いお着きでございます」や「お早くからご苦労様です」といった言葉が用いられるようになりました。
これが時代とともに「おはようございます」へと変化し、さらに短縮されて現在の「おはよう」となりました。

こんにちは

意味:日中の一般的な挨拶。

語源や由来:「こんにちは」は、「今日はご機嫌いかがですか」や「今日は良い天気ですね」といった長い挨拶から派生しました。時間が経過するにつれて短縮され、「こんにちは」という形になりました。
明治時代に教科書に採用されたことも普及に寄与しています。

こんばんは

意味:夜の挨拶。

語源や由来:「こんばんは」は、「今晩は、月が綺麗ですね」や「今晩は、少し冷えますね」というような長い挨拶が短縮されたものです。

いってきます

意味:外出する際に用いる挨拶。

語源や由来:「いってきます」は、「行って来ます」という表現が短縮されたものです。
元々は「どこかへ行きますが、必ず戻ります」という長い言葉で、遠出が危険を伴った時代に、帰りを待つ人への確約として使われるようになりました。

いってらっしゃい

意味:誰かが外出する際に、見送る人が使用する挨拶。

語源や由来:「いってらっしゃい」は、「行ってきます」と呼応する形で使われ、「行っていらっしゃい」という表現が省略されたものです。
この言葉には、外出する人への「無事に帰ってきてください」という願いが込められています。

意味:方角の一つで、太陽が昇る方向。

語源や由来:「東」という言葉は、「日向かし(ひむかし)」が変化して「ひがし」となったとされています。
また、「日向風(ひむがし)」、すなわち日の出る方向の風が語源であるとも言われています。漢字「東」の選定は、発音が同じだったために仮に使われ、後に定着しました。

西

意味:方角の一つで、太陽が沈む方向。

語源や由来:「西」という言葉は、「日、去にし方(ひ、いにしかた)」が省略され「にし」となったとされる説があります。
漢字は、夕日と共に巣に帰る鳥を象徴する形から由来しています。

意味:方角の一つで、太陽が昇る方向に対して右側。

語源や由来:「南」という言葉の由来には複数の説があり、「皆が見る方向=皆見(みなみ)」や「海が見える方向=海の見(みのみ)」とされる説もあります。
また、太陽神を崇拝する文化では、太陽の最高点である南方向への祈りが「神祈みし方(みのみしかた)」から「みなみ」へと変化したとも言われています。

意味:方角の一つで、太陽が昇る方向に対して左側。

語源や由来:「北」という言葉は、「不浄な方角=穢し(きたなし)」や「堅塩(かたしお)」などから派生したとされる説があります。
これらは未精製の塩の固まりから北の寒冷な大地を連想させるとされます。漢字は背を向ける二人を表し、南に面する人の背後を意味します。

意味:四季の中で、主に3月から5月を指します。

語源や由来:「春」という言葉は、「草木の芽が張る」や「墾る(はる)」、「氷が解ける(はる)」などから派生したとされます。
漢字は太陽(日)、生えた草(艸)、束ねた髪の幼児(屯)から構成され、新生と群生を表しています。

意味:四季の中で、主に6月から8月を指します。

語源や由来:「夏」という言葉は、気温の高さや「熱(ねつ)」、「生る(なる)」などから来ています。
漢字は夏祭りでの舞踏を象徴するお面をつけた人を表しています。

意味:四季の中で、主に9月から11月を指します。

語源や由来:「秋」という言葉は、「飽きる」や、夕方でも空が「明らか(あきらか)」であること、木々の葉が「赤く」なることなどから派生したとされます。
漢字は穀物の収穫(のぎへん)と、それを乾燥させる火を組み合わせた形です。

意味:四季の中で、主に12月から2月を指します。

語源や由来:「冬」という言葉は、「震える(ふるえる)」や「冷ゆる(ひゆる)」、「雪が降る(ふる)」などから来ています。
漢字は糸の端を結んだ形で、年の終わりを象徴しています。

まとめ

日常で使われる多くの言葉には、それぞれに興味深い語源や由来が存在します。
これらの言葉がいつの日か新たな意味を持ち、次世代に引き継がれるかもしれません。

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